言い換えの技術
同じことを言い表すために違う表現を使うことを to paraphrase と言います。
例えば諺の一つに こんなのがあります。
All that glitters is not gold.
今日は、この諺を paraphrase してみましょう。
All を「すべて」と訳すと 変換しにくくなるかもしれません。
ここでは All の意味を 「全てのもの」と捉えるといいと思います。
そう考えると、all that glitters は 「全ての光り輝くもの」 と言い換えられますから
All glittering objects are not gold. と
All glittery objects are not gold. の2つの言い換えが出来ます。
「全てのもの」は ”複数”なので object という名詞は複数で、そして Be 動詞は それに合わせて are を使います。
元々の諺では関係代名詞が使われていることに気づいた方もいらっしゃるかと思います。
関係代名詞は(現在)分詞の形容詞的用法と相互変換が可能ですから、
that glitters は glittering に変換できます。
All が「全てのもの」という意味の名詞であることに着目すると「あらゆるもの」の意味の名詞 everything に変換できることに気づくかもしれません。すると、
Everything glittering is not gold.
と paraphrase することが出来ますね。
このような言い換えの技術が身につくと英語力が向上します。
同じことを別の言い方で表現することで、伝わりにくいモノやコトを分かりやすくするスキルは、言語にかかわらず必要なコミュニケーション技術と言えると思います。
例えば、バナナを知らない人が いると仮定して、その人に「バナナって何?」と訊かれたら、どう答えますか?
多くの英語学習者は、yellow fruit くらいは言えるかもしれません。でも黄色い果物にはレモンもパイナップルもありますよね。
Oxford English Dictionary で banana を引くとこう書いてあります。
A long curved fruit which grows in clusters and has soft pulpy flesh and yellow skin when ripe.
黄色い果実はバナナ以外にもありますが、ここで使われている "grows in clusters" と "soft pulpy flesh" は 上述の3つの黄色い果物の中ではバナナにしか当て嵌まらないですね。
簡単な単語、既に知っている単語でも、英英辞典を引いてみると、新たな単語に出会えるかもしれません。それらを使って表現力を高めていきたいですね。
0コメント